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英国では家具製作の仕事を総称して CABINET MAKING(キャビネットメイキング) と言います。
17世紀中頃には、高価な異素材であるガラスを木枠で囲んだ扉と歪みの無いしっかりした本体を製作することが、数ある家具製作の仕事の中でも特に高度で総合的な技術として認められたことがその理由です。
後の東方貿易の隆盛にともなう陶磁器 ( CHINA )の蒐集や、紅茶文化の市民への流行と定着により英国では見せるため、飾るための収納家具として実に様々なデザインのキャビネットが継続して製作されることになります。それらは現在の英国においてもごく一般的にCHINA CABINET(チャイナキャビネット)という名称で呼ばれています。
古き良き時代に倣いリビングやダイニングに置いて、お気に入りのコレクションを飾る楽しみを、ぜひアンティークのキャビネットで。
キャビネットの扉に使われているアンティークガラスが今なおオリジナルな状態で残っているものはとても貴重です。少し角度を変えて見てみると手工品ゆえの揺らぎがなんとも言えない趣をもたらしているのがよくわかります。
波や、小さな気泡のあるアンティークガラスは歴史のフィルターとなってコレクションを引き立たせます。
他にもグレイジングバー(桟)のデザインやステンドの色ガラスの組み合わせなど、キャビネットのガラス部分の表情にこだわってみるのはいかがでしょうか。
ガラス食器や陶磁器、季節によって中を入れ替えるのも楽しみ方のひとつ。飾る楽しさがいっそう膨らみます。
フレームには手が込んだ彫刻が施されていることも多く、華やかさだけではなく時を経た上質な木のぬくもりを感じることも出来ます。
どれほどの時間をかけて彫り上げたのでしょうか。製作時を思い浮かべるのもまた感慨深いものです。
植物や幾何学模様など
アカンサス ( ハアザミの1種 ) やハスク( 穀物の籾殻 )、貝、ガドルーニング、グリークキーなど古代ギリシアやローマ建築に原型があるものや生活に根ざしたものも多く、その柄ひとつひとつに歴史を感じます。
脚部のデザインも時代や様式によって実に沢山のバリエーションがあります。こちらは18世紀中頃から流行した龍が知恵の玉を握っているクロウ&ボールフィート。
バーリーシュガーツイスト
17世紀中頃から流行した装飾です。捻った砂糖菓子の形が原型と言われています。オランダオリジンのデザインで、フランスやオランダに亡命していたチャールズ2世の王制復古と共にイギリスにもたらされました。このデザインはキャビネットだけではなくオーク材の椅子やテーブルなどにも多く用いられています。
ジェオグラフィカのキャビネットの内部は新しいクロスに張り替えをしております。
クラシックなダマスク柄やすっきりしたストライプ、艶やかなモケットなど、ひとつひとつのデザインに合う雰囲気のものを豊富な種類から選び修復しています。
COORDINATE
インテリアのアクセントに、キャビネット周りには絵画や照明、キャンドルなどで雰囲気を高めるのも良いですね。小さいテーブルとチェアーを側に、お気に入りのグラスを飾り豊かなひと時を。